筋力アップ(介護予防運動)教室を終えて。


4月から始めた筋力アップ(介護予防運動)教室、全12回が終了しました。

今回は4名の方にご参加をいただきました。

ありがとうございます。

時に、迷いながらの3ヶ月間でした。

 

昨年は初めての開催だったので、「ともかくやってみよう!」という勢いで始めたのです。

その後、トレーニングや運動指導について触れる機会があり、いくつかの疑問がわいてきました。

・これは適切なトレーニング(フォーム・方法・強度)になっているのか。

・部分的な筋力を上げることに意味はあるのだろうか。

・そもそもこのやり方で本当に筋力を上げられるのか。

その疑問の全ては解決せぬまま、今回スタートしました。

やっていく中で、心がけたこと。

それは「楽しく笑ってやっていこう」と。

これを大事にしていきました。

筋肉の作用・説明も、冗談言って半ば漫談のようでした(笑)

 

少し話は変わります。

先日、参加者の方ではないですが「膝が痛い」という90歳の方がいらっしゃいました。

膝の外側(外側上顆付近)に熱感があり、太ももがパンパンに緊張しています。

お話を聞いていくと、自宅で1日にスクワットを200~300回されているということでした。痛みをこらえて、それだけのトレーニングを続けるのは、きっと大変なことだったでしょう。

「歩けんようになったらかなん」

その思いで懸命にトレーニングをされていたとのこと。歩けなくなることに対する不安。それはとても大きなものだったのだと思います。

この出来事も、改めて考えるきっかけになりました。

筋力アップ教室と呼んでいるのは、そのことが一つあります。

介護予防、失禁予防、転倒予防、〇〇予防という時には、どうしてもその〇〇を強く意識してしまう。「〇〇にならないように」という不安よりも、できることなら「〇〇ができるように」という動機で始めたい。

そう思い、筋力アップ教室と呼んできました。

といっても、筋力をアップさせることだけが目的ではありません。

「より楽ちんで快適な生活を送れること」を一番の目的にしています。

スーパーまで楽に買い物に行けるように。

横断歩道を安心して渡り切れるように。

日々の生活の充実のために。

 

この教室は、東京都健康長寿医療センター(旧(財)東京都老人総合研究所)の提唱する「CGTプログラム(包括的高齢者運動トレーニング)」をベースにしてきました。
CGTプログラムというのは、1回最大挙上筋力(1RM)の60%以上の高負荷筋力向上トレーニングが特徴です。1RMとは、すごくがんばって1回に出せる力。

プログラムでは、3つの段階を追って進めていきます。

①第1期 コンディショニング期(初期1ヵ月)
組織の強度を高めたり、筋力トレーニングの知識を得ることによって意欲を高めることを目標に。
トレーニングの負荷は、低負荷・高反復。

②第2期 筋力増強期(中期1ヵ月)
筋力を向上させることを目標に。
トレーニングの負荷は、高負荷・低反復。
1RMの60%以上になるように負荷量を調整する。
徐々にバランストレーニングなど機能的トレーニングも加える。

③第3期 機能的トレーニング(終期1ヵ月)
得られた筋力を日常生活に応用することを目標に。
トレーニングの負荷は、高負荷・低反復。

 

しかし実際に行ったのは、週2回のところを週1回で。

トレーニングマシンは置いてないので使用せず、段階的に回数を増やしていく(余裕のある方は抵抗を加える)。1RMは未測定。座位でのトレーニングを中心に。

1時間半ほどかかるところを、1時間のみ(昼休みに行うので)。

機能的なトレーニングは、ほぼできませんでした。

加えて、「気持ちのいい方に動かしていく」操体法を取り入れた運動を行いました。

したがって、本来のCGTプログラムとはかなり違ったものになっていたと思います。

最終回を終え、初回と最後の体力測定の結果を参加者の方々にお渡ししました。

スキャン_20140722

これは結果を競うものではありません。

けれども、結果が伸びている項目が多かったことは、うれしい驚きでした。

ご自宅でも運動されていたのではないかと。そう思います。

少しでもきっかけになれば、幸いです。

 

最終日に参加者の皆様から、「お礼に!」とTシャツと靴下をいただきました。

筋力アップ終

「靴下、穴空いてましたか!?」と言ってしまい、「そういうことちゃいます!」とお叱りを頂きました。

ありがとうございます。

「楽しかったのにさみしいわぁ」と言って頂き、とてもうれしかったです。

より良いかたちを模索しながら、進んでいきたいと思います。

ひまわり

参照サイト 虚弱高齢者に対する包括的高齢者運動プログラム(CGT)の効果

参考文献 「介護予防 介護予防運動指導員養成講座テキスト」東京都健康長寿医療センター

 

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